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【エッセイ】おじいさんのひきだし。第4話 今夏のエアコン設定温度は昼25℃・就寝時26℃の最適解

2026 8/01
エッセイ おじいさんのひきだし
2026-08-01
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これまでのあらすじ

ある日、青空の下。
2階の部屋の子ども部屋でオレはお昼寝をキメていた。
すると、オレの勉強机のひきだしから、オレに似た少年と、ネコが現れた。
泣きながら訴える少年は、未来からやってきたオレの孫だという。

『あなたは、この街いちばんのドブスと結婚し、貧乏する。あなたのせいで、僕の未来がヤバいんだ。』
孫はそう言い残し、オレの未来を変えるためにネコを置いて未来へ帰っていった。
あの少年、勝手にひきだしからやってきて、オレをおじいさんと言いやがった。
しかも、ドブスと結婚する?
オレの将来のお嫁さんは、なまてんどうさんって決まってるのに。

これは、一匹の居候(いそうろう)とオレが決めたライフチェンジプロジェクトの記録である。

ひきだしからやってきたネコとの奇妙な同居生活が始まり、オレたちは旧子ども部屋から近未来の大人部屋へとアップデートを続けてきた。

サイドストーリー

しばらく、ネコさんと同居をしていたが、ネコさんには名前はまだ無いことにきづいた。
なまてんどうさんと相談し、「ニャーニャ」とネコさんに名前をつけた。
その日の夜。
オレの机がまた勝手に開いて、今度はネズミが現れた。

ネズミの話を聴くと、どうやら未来でニャーニャと遊んでいたお友達らしい。
オレは、優しさのあまり、『今晩、泊っていくか?』と尋ねると、『うん!ここで暮らしたい。』とうなずく。
そのあくる日。なまてんどうさんと相談し、ニャーニャもネズミも一緒にウチの居候(いそうろう)になることは難しいと判断した。すると、なまてんどうさんは、ニャーニャをなまてんどうさんのお家で飼うことを申し出てくれた。じゃあ、オレ、このネズミさんをウチの居候にするよ。
ネズミに名前を付けよう。名前は、「チューチュ」だ。
そして、チューチュとオレは一緒に暮らすことになった。

今夏のエアコン設定温度は昼25℃・就寝時26℃の最適解

祖父が今の僕の寝室を使っていた頃、いつも生ぬるい昭和の風が吹いていた。僕の記憶の中の夏は、扇風機が首を振り、開け放たれた引き戸から蝉の声が容赦なく入り込んでくる、そんな汗ばむ季節だ。

しかし、2026年の夏は違う。46歳になった僕は、ディッキーズのワークシャツに身を包み、締め切った部屋でパソコンのモニターと睨(にら)み合っている。楽曲制作のDAWソフトを開き、あるいはこうしてブログのテキストを打ち込む日々において、室内の環境制御は死活問題である。

現在、僕が導き出したエアコンの最適解は「昼は25度、夜は26度で朝までつけっぱなし」というものだ。世間の省エネ推奨温度からすれば、少しばかり反逆的な数字かもしれない。

日中の「25度」には、モノづくりをする人間としての矜持がある。
外の熱気を完全に遮断し、湿度を削ぎ落とした空間は、思考の解像度を極限まで高めてくれる。確かに電気代というコストはかかる。しかし、暑さで集中力を削がれ、作業効率が落ちるくらいなら、インフラへの投資として喜んで受け入れようという構えだ。25度という絶対的なバリアの中でこそ、良質なオモシロ記事や新しいビートは生まれるのだ。

そして夜。布団に入る前、僕はリモコンを手に取り、設定温度を「26度」へと1度だけ上げる。

たかが1度、されど1度。このわずかな変化に、睡眠の真理が詰まっている。人間は眠る時、内臓の温度を下げて体を休ませるという。25度のままでは明け方に冷えすぎてしまい、46歳の体には少しばかり負担が大きい。26度という温度は、寝苦しさを排除しつつ、自律神経を優しく守ってくれる絶妙な防波堤なのだ。

ここで重要なのは「タイマーは使わず、朝までつけっぱなしにする」という決断である。

途中でエアコンが切れ、寝苦しさで目を覚ますのは最悪だ。再び電源を入れた時、コンプレッサーは室温を下げようと猛烈な勢いで働き始め、結果的に電気代を跳ね上がらせてしまう。それならば、一定の温度を微弱な運転で保ち続ける方が、機械にも、財布にも、そして何より僕の睡眠の質にもずっと良い。冷気が直接体に当たらないよう、風向きを上向きにしておくことも忘れてはならない。

祖父の時代にあったような、自然の風に身を任せる夏も確かに美しい。だが、現代の僕らには現代の戦い方がある。

昼は25度の冷気で頭を研ぎ澄ませ、夜は26度の優しさで体を労わる。エアコンのリモコンもまた、現代を賢く生き抜くための「おじいさんのひきだし」として未来に伝えていく、大切な知恵の一つなのかもしれない。

さて、今日も部屋は完璧な25度だ。これだけ言い訳のできない環境を整えたのだから、あとは「面白い記事」が書けるかどうか、すべては僕の腕次第という残酷な現実だけが残されている。

今日のおすすめの曲

SUPER BUTTER DOG – 5秒前の午後

SUPER BUTTER DOGは、1997年にメジャーデビューした日本のファンクバンドです。
永積タカシ(現ハナレグミ)や池田貴史(現レキシ)など、現在も活躍する才能溢れるメンバーが在籍していました。
2008年に解散しましたが、圧倒的な演奏技術とポップな音楽性で今なお支持されています。
「5秒前の午後」は、1999年にリリースされた3枚目のシングル曲です。
いつもの骨太なファンクサウンドとは異なる、メロウでノスタルジックなミディアムナンバーです。
伝えたい気持ちを言葉にできない、不器用でピュアな恋心ともどかしさを描いています。
永積の温かくソウルフルな歌声が、その切ない世界観を完璧に表現しています。
楽曲としての完成度が非常に高く、時代を越えて愛され続けている名曲です。
2006年には、バンド「クラムボン」がカバーアルバムで取り上げたことでも話題になりました。
彼らの豊かなメロディセンスと、心に響く等身大の魅力がたっぷりと詰まった一曲です。

読んでくれた人の足あとの数(PV) ⤴ 11
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