Adobe社のillustratorやPhotoshopといえば、デザイナーやグラフィック、フォトなどの分野で必須と長らくされてきた。もちろん、これまでたくさんの対抗馬が造られて発表されてきたが、その会社のオリジナルのデザインの仕方、フォト合成の仕方などを覚えないといけないという別のソフトと割り切り使わなければならなかった。
だが、ジェネリックソフトとしての位置づけをよくされるように、イギリス発のSerif社の開発したAffinity Designer/Photoで多くのことが互換できる。
ただし、100%互換というものは存在しないので、ツールの名称などや、一部できないことも存在するのだが、度々行われるバージョンアップによって、新機能として追加されることもある。
まず、この点を押さえた上での、Affinity Designer/Photoを使用する最大のメリットは、コストである。
もともとAdobe社のソフトは何十万という買い切り方のパッケージソフトであったが、新しいバーションを発表するたびにクラックされて、一部のユーザーにタダで使われてきた。
セキュリティ強化の取り組みが進む一方で、それに伴う不具合も発生するという課題が生じた。この課題に対し、Adobe社は他社に先駆けてサブスクリプションモデルを導入し、継続的なアップデートを通じてセキュリティ対策を強化するという戦略を展開している。
ただ、ひと昔前の買い切りソフトならば、OSが同じならば数年ずっと使えるという点で安心だったのだが、度重なるOSのバージョンアップに合わせた対応も必要となり、結局買い切りソフトというものではなくなり、サブスクリプションという現在から未来に向けたトータルで年間何万円の維持費のかかるソフトとなってしまった。ただ、昔に比べれば幾分か安い。
でも、長年ITに詳しく、いろんなことを多岐に渡って行ってきた私のおすすめは、自分のデザインやフォトに対するやりたいこと「自分の手で新しい価値を生み出したいという思いから、日々基礎を学び、スキルを磨いています。」(目的・手段)、やるべきこと「一人前のデザイナーになるという目標に向かって」(目標)、やれること「自分にできることを一つずつ積み重ねていきたい」(可能性)をある程度理解した中級者以上にはコスト(維持費)の面でSerif社の開発したAffinity Designer/Photoで代用できることをおススメしたい。
ただし、デザインを基礎から学び始めました(基礎構築)、一人前のデザイナーになる(目標)、道のりは未知数ですが(可能性)の部分がホントの初心者という時点では、僕はAdobe社のillustrator及びPhotoshopで基礎固めをしてほしい。そのほうが、学べる教材や学べる先生や学べる専門学校が多いので。
例えば、仕事の場合ではillustratorで入稿してくださいという条件には従わないといけないし、illustratorで相互にデータを交換しながら校正などをしていきましょうなどのという過程の中で必要な時には必要なソフトであるので、極論を言えば、その時払いのサブスクリプション利用も検討してもいい。結局仕事というものは成功すれば対価が貰えるので、一時のサブスクリプション代くらい払おうという感じである。
ただ、これが、一般企業で働くサラリーマンで、イラストやフォトなどのソフトを扱わないといけないが、専門性は必要なく、最終的に.jpg/.png/.gifなどの拡張子で完成したものを使える状態にすれば良いという方には、最初から、Affinity Designer/Photoを利用してもいいと言えるのかもしれない。
まとめ。アレを作りたい(目的)、アレが必要(目標)、アレの作り方を知っている(可能性)と明確に自分の作業目的などがわかっていて目標も持っていて、可能性を把握している方にはもう、ジェネリックでいいじゃんという世界になってきた。
日本語のAmazonで購入できるパッケージ版や日本語での公式版はソースネクスト社が取りまとめている。ソースネクスト社といえば、元々コンビニや本屋などに向けて、専門ソフトを安いパッケージとして販売していた会社だが、ユーザーも増えたり、専門ソフトの専門性も高くなったりしているし、サポートも万全なので、安心できる。
参考動画:Youtbeワタナベミツテルチャンネルより
【2024年7月1日追記】
2024年3月オーストラリア発のデザインサービスCanvaがイギリス発のAffinityを買収した件。 デザインの勉強をしていないユーザーのためにリーチしてきたCanvaが、デザインの勉強をした経験のあるユーザーが多数の高機能デザインソフトAffinityを吸収し、成長戦略を狙っている。もちろん、対Adobe社ではあるんだけど、CanvaのユーザーとAffinityのユーザーを足したら、世界どんだけのユーザーにリーチできるかということ。 両社は連名の公式ブログで、Affinityの永続ライセンスは継続され、Affinityブランドの維持を約束している。