Why are we sometimes impressed by Amazon’s speed and other times waiting for Rakuten’s points to increase?
なぜ、ある時はAmazonのスピードに感動し、別の時は楽天市場のポイントアップを待つのでしょうか?
私たちの「買い物マインド」には、明確な構造があります。そして今、その構造を外から揺さぶっているのが、「価格破壊」を武器にした中国発の越境ECです。
シリーズ最終回は、完成したEC消費マインドの構造を明らかにし、市場の最前線で何が起きているかを分析します。
EC消費マインドの構造と国際競争の激化
①EC消費マインド・マトリクス:あなたのポチりの正体
以下に、示したX軸とY軸の定義をマトリクス化し、まとめてみた。
X軸(水平方向)は、探求マインド(出会いを求める) vs 目的マインド(効率を求める)
Y軸 (垂直方向)即時性(今すぐ欲しい) vs 計画性(吟味して買う)
※この表は、どのサービスに優劣付けることはなく、サービス上の性格の分析である。

(目的×即時): Amazon, ヨドバシ – 「最短・確実」の代名詞。
(探求×即時): SHEIN, ZOZOTOWN – 「衝動買い」や「トレンド」への渇望を満たす。
(探求×計画): 楽天市場 – 「お祭り」を楽しみ、ポイントを最大限に活かす計画的な買い回り。
(目的×計画): メルカリ, Yahoo!オークション – 「最安値」や「掘り出し物」を粘り強く探し出す。
変革と国際競争の激化期(2020年〜現在):次元戦争の開始
このマトリクス構造を、外側から破壊しようとしているのが、中国発の越境ECです。
2020年〜 まずコロナ禍でECが生活に必須となり、市場が盤石になった直後に事態は動きます。
2023年〜 SHEINやTemuが日本市場に本格参入。彼らの戦略は、物流の速さでも、ポイントの多さでもありません。それは、既存のサプライチェーンを飛び越えた「超高速・超低価格戦略」。
この価格攻勢は、「これまでのECは高かったのではないか?」という根本的な疑問を消費者に投げかけ、日本のEC市場の価格の常識を、さらに一段階下に引きずり下ろそうとしています。

インターネットショッピングの30年は、「便利」を極め、「速さ」を競い、そして今、「価格」の常識を破壊されつつあります。
次の10年、さらに20年、30年、EC市場はどこに向かうのか。
それは、私たちが次にスマホで「ポチる」時に、どのサイトを選ぶかにかかっているのかもしれません。
【インターネットショッピングの30年】は、消費者の進化の歴史です。
ご愛読ありがとうございました。


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