カマボコと言えば、うどんや蕎麦の頂(いただき)に鎮座する、あのピンクと白の半円の練り物。

食べ終われば、そこには必ず「板」が残る。
うちの祖母のようなカマボコ・ヘビーユーザーの元には、用途不明の板が、それはもう、どんどん貯まっていくのだ。
積んで、崩して、オリジナルのバランスゲーム。
祖母に教わった全国の駅名を書き連ね、切符に見立てた空想旅行。
ある時は、お風呂の湯船に浮かぶ、名もなき小舟。
遊びは、いつだって尽きることがなかった。
そう、今でも僕は、カマボコの板を見ると「何か」をしたくて堪らなくなる。
たとえば、高木ブーさんのためだけの、ドリフの特設ステージ。

あるいは、ちいかわが荒波を乗りこなす、躍動のサーフボード。

たかが板。されど板。
僕の想像力は、いつもこの四角い木片の上で踊っている。

【ナベペディア】
かまぼこ板の主材料は、モミや杉。余分な水分を吸って風味を保ち、成形や加熱を支える「縁の下の力持ち」である。江戸時代から続くこの知恵は、現代でもミニまな板やDIY素材として、密かな再利用ブームを巻き起こしている。
つづく







