「よくばりじいさんのはなし」
よくばりじいさんは人がうらやましかった
ほしいものは自分にないもので
集められるだけたくさんあつめた
集められるだけあつめたけど
どうしても手に入らなかったものがあった
あの親切じいさんのココロの温かさは手に入らなかった
あの陽だまりのような温かさがほしい
あの誰からも好かれる優しさがほしい
『どうしたら手に入れられるの?』
『どうしたらあの人になれるの?』
よくばりじいさんは親切じいさんと話をした
素直に話をした
素直に聞いてみた
すごく長話をした
親切じいさんとよくばりじいさんは仲良しになった
そしたらよくなりじいさんは集めるのをやめた
よくばりじいさんは、かつて孤独だった
集められるだけあつめられるものがココロのよりどころ
でもさみしかった
でも、もういまは
親切じいさんの「あしたまたね」ということばや
よくばりじいさんの自分から発する優しいことば
『本当はこれが欲しかった』
ココロのやすらぎ