エッセイ[新]白湯を嗜む刻,ツウ。(新さゆをたしなむとき,ツウ。)第4話 軟式土木作業系コネクリお菓子

あーん。もう2月だ!

前に記事を書いてから、いつの間にか、しゅぱっと一ヶ月も経っている。

​さて、2月と言えば。

ご卒園とか、ご卒業、あるいは、新しい門出に向けて、ご退社の準備をなさる方も、多いと思う。

みんな、それぞれの現場を、無事に引き継いで、次へ向かうそんな季節なのだ。

​今回は、そんな季節にふさわしく、幼き頃のワタナベミツテルくんが、スーパーのお菓子コーナーで見つけた逸材を、懐かしくも、じーっと振り返る、そんなお話。

​一九八六年。

保育園をさくっと卒園して、ランドセルが背中でがた、ごとと落ち着かないピカピカの一年生だった僕

けれど、小学校になっても保育園時代の得意科目だった「砂場遊び」から、どうしても抜け出せなくて、だから僕の魂は、依然として、放課後の砂場に、置き忘れたままだったのである。

​小学校の砂場。

そこは僕にとって、世界で一番大切な、建設現場だった。

さく、さくり、ざざーっ!

小さなスコップを振るい、毎日、立派なダムとか、トンネルを作る。

爪の間には、お砂の思い出が、ぎゅっと詰まっていて、そして、お母さんに「あらら」なんて、笑われたりして

​そんな砂場職人の僕がスーパーで、運命の出会いをしてしまった

それが、軟式土木作業系コネクリお菓子である。

「おやおや、これは大変なことになっちゃったぞ。」

僕は、お菓子コーナーの前で、ひとり「うひひ」と、鼻歌まじりに呟(つぶや)いてしまった。

「これは、おうちでできる、砂場遊びじゃないか!」

​ターゲットは、あの「ねるねるねるね」。

トレイを、ぱきんっ、ぱこっ! と切り離す音は、工事開始の合図みたいで、胸がわくわくしちゃう。

粉を、さらさら入れて、そして、お水をちょこんと足して、そこで、棒でまぜ、まぜ、まぜまぜ……。

砂場の泥団子作りで鍛えた、僕の攪拌(かくはん)テクニックが、ここでキラリと光るのだ。

「あ、ふくらんできた! もこもこしてきたよ!」

色が、ぱぁぁんと変わって、そして粘り気が、ぷるぷる、もこもこっと増していく。

その様子は、なんだか不思議な生き物が、こんにちは、って挨拶しているみたい。

​ぱくり。

食べてみると、甘い味が、じゅわじゅわーっと、お口の中に広がって、なんだか虹を食べちゃったみたいに、幸せな気分。

でも、あんまり夢中になりすぎて、お口の中が、からからの砂漠になっちゃった。

​そこで、僕は秘密の魔法をかけたのである。

追いファンタオレンジだ!

ぷしゅっ! しゅわわわわわーっ!

​注げば、オレンジ色の泡が、ぴょん、ぴょんっと踊りだす。

お菓子の紫と、そしてファンタのオレンジ。

お口の中で色が、がっちゃんこと混ざり合って、だからなんだか、楽しいパーティーが始まったみたい。

​んふふ。

最後の一滴をごくんっと飲み干して、そこで僕は、空っぽになったトレイを、じーっと見つめた。

お口のまわりに、ぺたっとついた、甘いしるし。

明日は、砂場で、どんなお山を作ろうかな。

そして、オレンジ色の小さなゲップを、ぷふっと一つ吐き出して、僕は夕暮れのお部屋で、にこにこしながら、明日の作戦を考えるのであった。

本日のおすすめの曲
ACIDMANの「赤橙(せきとう)」は、情熱や欲望、そして命の儚(はかな)さと熱い感情を、赤い煉瓦(れんが)や炎になぞられて表現された曲です。

送信中です

×

オモシロ記事工場は、にほんブログ村に参加し健闘しております。

にほんブログ村総合(およそ1,041,551サイト中)※2026.1月現在

ぜひ他の記事もお読みください。

こちらのボタンはこのサイトのランキングポイントが上がります。

にほんブログ村 ブログブログ 雑記ブログへ
にほんブログ村

勝手にSNSでシェアしてね!